鍵交換をすると、「新しい鍵は何本付いてくるの?」「家族分の合鍵はその場でもらえる?」と気になる方もいると思います。結論からいうと、鍵交換時に付属する鍵の本数は、メーカーやシリンダーの製品・仕様によって異なります。
また、最初から製品に付属している純正キーと、あとから作る複製キーは同じ意味ではありません。特にディンプルキーでは、街の合鍵店ですぐ複製できるものもあれば、専用設備やメーカーへの注文が必要になる製品もあります。
今回は、鍵交換後にもらえる鍵の考え方、純正キーと複製キーの違い、追加のスペアキーを作る前に確認しておきたいポイントを鍵屋の視点から解説します。
鍵交換でもらえる鍵の本数は一律ではない
シリンダーを新品へ交換すると、通常はその製品に設定された本数の鍵が付属します。ただし、「鍵交換なら必ず3本」「ディンプルキーなら必ず5本」のように、すべての製品で共通する本数が決まっているわけではありません。
メーカーやシリーズ、シリンダーのセット内容などによって付属本数は変わります。そのため、家族全員に1本ずつ必要な場合は、交換前に「新しい鍵が何本付属するのか」を確認しておくと分かりやすいでしょう。
上下2ロックを同一キーで交換する場合なども、単純にシリンダーの個数だけで手元の鍵の本数を判断しないことが大切です。実際に選ぶ製品のセット内容を確認します。
今回の技術ポイント
新品のシリンダーに最初から付属する純正キーと、あとから元の鍵をもとに作る複製キーは分けて考えます。付属本数や追加方法は製品によって違うため、交換前に「何人が鍵を使うのか」「予備を何本持ちたいのか」まで確認しておくことが重要です。
純正キーと複製キーは何が違う?
ここで整理しておきたいのが「純正キー」と「複製キー」です。一般に、新品のシリンダーに付属する鍵は、そのシリンダーに対応したメーカー純正の鍵です。
一方、手元の鍵をもとに合鍵店などで作るものは複製キーです。鍵の種類によっては比較的短時間で複製できるものがありますが、どの鍵でも同じ方法で作れるわけではありません。
特にディンプルキーは製品ごとの差があります。対応する設備を持つ店舗で複製できるものもあれば、メーカー注文になるもの、登録情報などの確認が必要な製品もあります。
そのため「ディンプルキーだから合鍵は作れない」「どこの店でもすぐ作れる」と一括りにはできません。鍵交換時に、追加キーをどのような方法で用意できる製品なのか確認しておくと安心です。
ディンプルキーは追加方法を確認しておく
ディンプルキーは、鍵の表面や側面などにくぼみがあるタイプとして知られています。しかし、同じディンプルキーという呼び方でも、メーカーやシリーズによって構造や複製方法は異なります。
家族が多い住宅では、交換後すぐに付属本数以上の鍵が必要になることもあります。その場合、追加キーをその場で用意できるのか、後日注文になるのか、どの程度の確認が必要なのかを交換前に聞いておくと予定を立てやすくなります。
合鍵からさらに合鍵を作るときは注意
追加のスペアキーを作るときに知っておきたいのが、「どの鍵を元に複製するか」です。複製キーは元になる鍵の形状を参考に作られるため、すでに使用や複製による差がある鍵から、さらに複製を重ねることは避けた方がよい場合があります。
鍵はわずかな形状の違いでも操作感に影響することがあります。元の鍵ではスムーズなのに、特定の合鍵だけ引っ掛かる、回しにくいという症状が出ることもあります。
追加する場合は、その鍵に適した方法を確認し、可能であれば状態のよい純正キーを基準に考えることがポイントです。登録制などメーカー独自の仕組みがある製品では、その手順に従います。
合鍵だけ回りにくい場合はシリンダー故障とは限らない
鍵交換後しばらくして「1本だけ回りにくい」という場合、すぐにシリンダーの故障と決めつける必要はありません。
複数の鍵を持っているなら、ほかの鍵でも同じ症状が出るかを確認すると原因を整理しやすくなります。純正キーでは正常に操作でき、特定の複製キーだけで引っ掛かるのであれば、その鍵自体も確認対象になります。
「新しい鍵なのに固い」「合鍵だから仕方ない」と決めつけず、どの鍵・どの操作で症状が出るかを比べることが大切です。
家族分の鍵は交換前に考えておく
鍵交換をするときは、現在何人が玄関の鍵を使用しているかを確認しておくとスムーズです。
例えば家族4人がそれぞれ鍵を持つなら、選ぶ製品に付属する本数で足りるのか、追加キーが必要なのかを事前に確認できます。さらに予備を1本保管したい場合は、その分も含めて考えます。
- 普段鍵を持つ家族は何人か
- 子どもにも鍵を持たせるか
- 予備の鍵が必要か
- 上下2ロックは同じ鍵で操作するか
- 勝手口なども同じ鍵で管理しているか
- 追加キーはどの方法で作れるか
スペアキーは多ければ多いほど便利?
予備の鍵があれば、紛失したときや家族へ渡すときに便利です。しかし、必要以上にたくさん作ればよいというものでもありません。
鍵の本数が増えるほど、「誰に渡したのか」「今どこにあるのか」を管理する必要があります。以前渡した鍵が返却されていない、予備をどこに保管したか分からない、といった状態では管理が複雑になります。
防犯を考えるうえでは、鍵の性能だけではなく鍵そのものの管理も重要です。必要な人数と予備本数を考え、現在存在する鍵の本数を把握できるようにしておくとよいでしょう。
注意点
スペアキーを屋外の分かりやすい場所へ置くなど、第三者が見つけやすい保管方法は避けましょう。また、鍵に住所が分かる情報を一緒に付けることも、紛失時のリスクを考えるとおすすめできません。家族で保管場所や管理方法を決めておくことが大切です。
上下2つの鍵を交換するときの本数にも注意
玄関に上下2つのシリンダーがあり、1本の鍵で両方を操作できる同一キー仕様もあります。
この場合、上下2個のシリンダーを交換したからといって、「それぞれに付属する鍵を単純に足した本数になる」とは限りません。同一キーのセットとして用意される製品では、そのセットに設定された本数を確認する必要があります。
また、片方だけ交換して上下が別の鍵になれば、1人が2種類の鍵を持つ構成になることもあります。
必要なのはシリンダーの個数ではなく、「交換後、何種類の鍵を何人が使うのか」を考えることです。上下を1本で使いたい場合は、交換前に同一キーでそろえたいことを確認します。
鍵をなくしたらスペアキーがあれば大丈夫?
スペアキーが残っていれば、自宅へ出入りすることはできます。しかし、防犯面では「家に入れること」と「なくした鍵をどうするか」は別の問題です。
外で紛失した鍵は、見つからない限り手元には戻っていません。どこでなくしたのか、住所が分かる物と一緒だったのかなどによって、交換を検討する考え方も変わります。
交換時には鍵の種類だけでなく管理方法まで確認する
鍵交換では、シリンダーの防犯性能や使いやすさに目が向きやすいですが、その後の鍵管理も同じくらい大切です。
特に家族が多い場合は、交換直後に誰へ何本渡したかを決めておくと管理しやすくなります。純正キーと追加した複製キーがある場合は、それぞれを把握しておくのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 鍵交換すると新しい鍵は何本もらえますか?
付属する鍵の本数はメーカーや製品、セット内容によって異なります。「必ず何本」と一律にはいえないため、交換するシリンダーを選ぶときに付属本数を確認してください。
Q. 家族分の合鍵はその場で作れますか?
鍵の種類によって異なります。複製に対応できる鍵もあれば、メーカーへの注文や専用の手続きが必要になる製品もあります。必要本数が決まっているなら交換前の確認がおすすめです。
Q. 純正キーと合鍵は同じですか?
新品のシリンダーに付属するメーカー純正キーと、あとから鍵をもとに作る複製キーは分けて考えます。複製方法や対応可否は鍵の種類によって異なります。
Q. ディンプルキーでも合鍵は作れますか?
作れる製品はありますが、方法は一律ではありません。対応設備のある店舗で複製できるもの、メーカー注文になるもの、登録情報などが必要なものがあります。
Q. 合鍵だけ回りにくいのはなぜですか?
ほかの鍵では正常で特定の合鍵だけ回りにくい場合、その鍵の形状や状態も確認対象です。すべての鍵で固い場合は、シリンダーや錠ケース、建付けなど別の原因も考えます。
Q. スペアキーは何本作っておくのがいいですか?
一律の正解はありません。実際に鍵を持つ家族の人数と、必要な予備本数から考えます。増やしすぎるより、現在何本存在して誰が持っているか把握できることが重要です。
まとめ
鍵交換時にもらえる鍵の本数は、メーカーやシリンダーの製品、セット内容によって異なります。そのため「鍵交換なら何本付いてくる」と一律に考えず、交換前に必要本数と付属本数を確認することが大切です。
また、新品に付属する純正キーと、あとから作る複製キーでは考え方が異なります。特にディンプルキーは追加方法に製品差があるため、家族分の鍵が必要なら事前に確認しておくと安心です。
交換後は、何本の鍵が存在し、誰が持っているのかを把握しておきましょう。鍵の性能だけでなく、スペアキーを含めて管理しやすい状態を作ることも住宅の防犯では重要です。
